にんにくは、紀元前の古代エジプトで、ピラミッドの建設にたずさわった労働者の活力をつけるために食べていたという記録があるそうです。
エジプトからアラブ諸国へ、さらにインドを経由して、漢の武帝時代に中国へ伝わったそうです。そして、朝鮮半島を経て日本へ伝わり、古事記や日本書紀にも薬用や魔除けに使われたと記述があります。
戦後には、香辛料として多く使われるようになりました。
にんにくの成分とその性質
にんにくにはアリインという成分が多く含まれています。
にんにくを刻んだりすりおろしたりすると、にんにくに含まれるアリナーゼという分解酵素が働いて、独特の香りを持つアリシンという成分が生成されます。
アリインやアリシンはアリル化合物と呼ばれ、ビタミンB1と結合しやすく、アリチアミンという物質に変化して、体内への吸収力が高まります。
アリシンは、胃の消化液の分泌を活発にして、食欲の増進やビタミンB1の吸収を高めるので、ビタミンB1を多く含む豚肉や大豆などとともに食べると良いです。
アリシンは熱を加えるとスコルジニンという成分に変わり、毛細血管を拡張して、細胞の新陳代謝を活性化する作用があります。
にんにくの効果
ビタミンB1は、食事から摂取した糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。
糖質をエネルギーに変える能力が低下してしまうと、疲労物質の乳酸がたまりやすくなり、披露を感じるようになります。
アリシンはビタミンB1と結合しアリチアミンとなります。アリチアミンは活性持続性型B1とも呼ばれており、長時間にわたって疲労回復の効果を発揮します。
冷え性は、血行不良により、体の部位がひどく冷たくなることです。冷え性が長く続くと、肌荒れや肩こり、腰痛、便秘などの症状が現れることがあります。
アリシンが加熱されてスコルジニンという成分となり、スコルジニンには血行を良くする働きがあるので、冷え性の改善に効果があります。
また、アリシンなどの硫化アリル類には、強力な殺菌作用があるので、細菌やウイルスにも効果を発揮して、風邪などの感染症にもかかりにくくなります。
にんにくの選び方・保存・調理方法
にんにくの皮は、表面の色が白いほど新鮮で、乾燥しすぎずツヤのあるものが良いです。
常温で風通しの良いところで保存するといいです。
ネットなどに入れて、日陰に吊るしておくのもよいでしょう。
にんにくは、細かく刻むほど香りが強くなります。ですから、切り方で香りの調節をするといいです。
にんにくの臭いが気になる方は、醤油漬けやはちみつ漬けにしたり、揚げにんにくや焼きにんにくにすると、臭いが抑えられます。
にんにくは、サプリメントでも上手に摂取できます。